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「その時」私が考えたこと③

皆さんこんにちは。武長のタケマサです。

 

 今日も暑いですね。8月最終日というのに秋の入り口が見えません。今年はサンマ食べられるでしょうか。いつの間にか高級魚になってしまいましたから。松茸とまでは言いません。サンマは食べたい!そんなことを考えていられるのも幸せなことと思います。今回も以前私が病気を患ったときに考えたことについてお話ししたいと思います。お付き合いのほどお願いします。

 

 さて、私が癌になってみて経験したお話を続けさせていただきます。治療方法も決まり入院という運びとなりました。幸運にも4人部屋の窓側!と思いきや、建物の向かいも病棟でした。お向かいも病室ということで眺めが良くて日当たりが良いというわけにはいきませんでした。でも空が見えるのは良かったです。毎日の日課は朝の検診に始まり、担当の先生による診察、放射線治療です。1週間に1回抗癌剤の点滴を受けました。最初の抗癌剤の相性が悪く腎臓機能が低下してしまうということがあり、しばらくは点滴を24時間続ける日々が続くこともあありました。

 

 私がいる病室も含めご高齢の方が多かったですね。カーテンで仕切られた中で休んでいると周囲の会話が良く聞こえてきます。失礼かもしれませんんが、お歳のせいか耳が聞こえにくくなると声が大きくなるんですね。その中には財産にかかわる内容が結構な割合で聞こえてきました。盗み聞きみたいでいやなんですけど、聞く気はなくても聞こえてしまうんです。「土地を売りに出しているんだけどなかなか売れない」とか、「私が入院してウチは空家なんだよ」とか。私は不動産業者である旨は特に告知していないので、看護師さんとの世間話のなかでそんな内容が聞こえてきます。

 

 私もそうでしたが、癌になると自分がいなくなった後のことを考えたりします。私の場合は住宅ローンの団体信用生命保険への加入の確認や、生命保険の3大疾病や入院保険などの確認でした。さらにご高齢の方になると終活ではありませんが、そういった意味も含めて資産の整理や後始末のこともお考えなんでしょうね。でも、入院しながらでは、そういったことを進めようと思ってもなかなか不自由でしょうね。特に昨今はコロナの影響で面会やお見舞いは禁止となっています。そうなんです。誰にも相談できないんですね。「息子が○だから自宅は△して、預金はこれとこれがあって…」などお一人で考えをまとめなくてはなりません。考えた結果をまとめる力がある内は良いのですが、抗癌剤や放射線治療って結構体力を要します。具合も悪くなりますから体が言うことをきかなくなってくるんですね。気力も萎えてくると積極的に思考することも困難になってきます。

 特に不動産を売りたいというお話を聞いたときには、正直「どうやって?」と思ってしまいました。面会禁止ですからご親族や不動産業者にも会えません。ご自身のご希望を伝えたりご相談になったり、打ち合わせや調整もままなりませんね。もし、入院されている方から私にご依頼があったらと考えると、電話くらいしか接触の方法がありません。でも、電話では済まないことも少なくはありませんから、なかなか困難な状況になると思いました。抗癌剤投与の後などは私も電話に出る気分になれないこともありました。毎日治すこと、生き抜くこと、耐えることなどと対峙し続けているので他にも考えることがたくさんあるんです。すること、やらなくてはと思えることが次から次に浮かんできます。落ち着いて考えて最善の判断ができるとはいいがたい状況です。

 

 親族を青年後見人にという方法で、財産の処分を任せるあるいは考えを託すということもできますが、本当にそれが最善の選択と言えるかは判断が分かれると思います。私も自分が癌になるなんて考えていませんでした。でも突然なってしまったんですね。気持ち、認識的には。例えば自宅以外の不動産「いつか何とかしないとなぁ」とお考えになっていたとします。でも、突然なってしまうんです。その時のステージがⅠなのかⅣなのかにもよりますが、末期であるということは普通にあり得るわけです。残された時間に限りがあると…。こう言うと「だから早めに売っておきなさい」という広告と思われてしまうかもしれませんが、私も経験しました。まさに「その時」私が思ったことなのです。「明日、来月、来年、3年後、10年後が当たり前にあるという考えはしない方がいいな」と思ったのです。「そのうちやるよ」「何とかなるんじゃない?」という考え方は「何ともならない」「どうにもならない」というリスクの裏側なのではと…。今できることは今やらなくては、ずっとできなくなる可能性があると考えるべきではないでしょうか。「不動産はいつでも売れるでしょ」「来年になったら考えてみようか」ではなく今できるなら、今考えることができるなら、今ならいろんな方にご相談もできるなら、やっぱり今なのでは?なんて、病床に聞こえてくるいろんなお話を耳にしながら考えさせられました。皆さんはどう思われますか?

 

 すみません。思いがあふれてしまい長くなってしまいました。皆さん本当にお体は大事になさってください。ある程度の年齢になられてからはがん検診もしっかり受けましょう。また、今現在このような状況にあるみなさん、頑張りましょう!治療の終了から2年と半年経過しますが、再発の兆候もなく過ごせています。希望ってすごいチカラです。では次回もよろしくお願いします。

 

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